質問『法人が清算結了してしまったのですが、どうすればいいですか?』
旧所有者の法人の印鑑証明書が取得できないので閉鎖事項全部証明書を取得して調べてみたら「〇〇年〇〇月〇〇日 清算結了」という登記がされていたのですが、この状態で移転登録や移転抹消をするにはどのような書類を揃えれば良いですか?、という質問です。
清算結了後には印鑑証明書は取得できない
清算結了の登記が終わると、この法人の印鑑証明書は取得できなくなります。
清算中の法人であれば「代表取締役」の項目が「清算人」となってはいますが印鑑証明書がとれますし、解散のみの登記で止まっている会社は手続きを踏めば印鑑証明書を取得できるようにすることは可能です。
※清算結了とは?
清算結了とは法人が解散して清算手続きを始めてから全ての整理が終わったら行う登記のことです。
債権や債務の整理を行って市町村や法務局への手続きも全て終了したことで法人としての存在を閉める登記です。
移転登録や移転抹消をするのに必要な書類は?
清算結了されてしまった法人が所有者の車の登録で必要となる書類を解説します。
法人としては印鑑証明書が取得できないのでその代わりに「元清算人」の書類を使用します。
「元清算人」を調べるには閉鎖事項全部証明書を取得します。
すでに取得していたらその中身を見ていけば分かりますが、役員の項目のところに記載されています。
ほとんどの場合は元代表取締役がなっていることが多いです。
では具体的に説明します。
必要書類
旧所有者の書類
- 車検証
- 閉鎖事項全部証明書
- 元清算人の個人の印鑑証明書
- 委任状(元清算人の実印が押印されているもの)
- 譲渡証明書(元清算人の実印が押印されているもの)
- 清算結了にかかる理由書
- 元清算人の住所・氏名が変更されていたらそれを証明する住民票・戸籍謄本
新所有者の書類
- 印鑑証明書
- 委任状
- 車庫証明書 (移転登録の場合)
- ナンバープレート (移転抹消の場合)
必要書類の解説
閉鎖事項全部証明書
閉鎖事項全部証明書で証明しなければいけない項目は何点かあります。
- 清算結了している事実
- 元清算人の名前・住所
- 車検証の名称・住所と一致しているか
これらの項目が記載されていることが必要になります。
委任状・譲渡証明書
法人としての実印はもう押印できないので必ず元清算人の個人の実印を委任状・譲渡証明書ともに押印する必要があります。
清算決了にかかる理由書
この理由書にも元清算人の個人の実印を押印する必要があります。
住民票・戸籍謄本
元清算人として登記されていたときから引越や結婚・離婚などで住所や氏名が変更されていたら、そのつながりを証明するために住民票や戸籍謄本(個人事項全部証明書)が必要になります。
元清算人へは直接は移転登録できません
清算結了している場合で法人の元代表取締役(元清算人)がまだ同じ車を乗り続けたいとしても、法人から元清算人への移転登録はできません。
もし乗り続けたいのなら、名義を変えずに乗り続けるか、あるいは元清算人以外の方に一度名義を変えてから元清算人の名義にするという二通りがあります。
間にはさむのにおすすめの方法
別の方に名義を変えてから元清算人の名義にするときにおすすめなのが同居している家族の方をはさむ方法です。
間にはさむ名義の方が車検証と同じ住所(法人の住所と同じということ)であれば車庫証明書の取得を省略できますし、なおかつ元清算人の名義にするときも車庫証明書が省略できます。
また、法人の住所と異なった住所だったとしても、一度だけ書庫証明書を取得しておけば元清算人の名義するときには住所が同じはずなのでこちらの車庫証明書は省略できます。
間に第三者をはさむとしても同日に且つ同時にできてしまうので書類が増えるだけでそんなに手間は変わりません。
間に第三者をはさむ際の必要書類
旧所有者 (清算結了した法人分)
- 車検証
- 閉鎖事項全部証明書
- 元清算人の個人の印鑑証明書
- 委任状(元清算人の実印が押印されているもの)
- 譲渡証明書(元清算人の実印が押印されているもの)
- 清算結了にかかる理由書
- 元清算人の住所・氏名が変更されていたらそれを証明する住民票・戸籍謄本
中所有者
- 印鑑証明書
- 委任状
- 譲渡証明書
- 車庫証明書 (車検証の住所と同じであれば不要)
最終所有者 (元清算人)
- 印鑑証明書
- 委任状
- 車庫証明書 (車検証の住所あるいは中所有者と同じであれば不要)
まとめ
清算結了してしまうと何をするにも書類が増えて手間が増えるので法人の清算手続きをするときは自動車も忘れずに処理を済ませておきましょう。