移転抹消とは
移転抹消とは車検証の所有者から名義を変えて(移転して)抹消することです。例えば、Aさんが所有者の車をBさんに移転登録すると同時に抹消する場合です。
通常、車検が切れていると移転できませんが、抹消が前提ならば車検が切れていても移転できるということになってますので、車検切れの車でも移転抹消はできます。
移転抹消の手続きは新しい所有者の住所を管轄する運輸支局ですることになります。
1つだけ注意したいのが、都道府県によりますが、たとえ移転(名義変更)と同時に抹消するとしても年式の新しい車の場合は取得税の対象となってしまいます。古物商の許可証を持っていれば商品車の扱いになり取得税の対象外になります。移転抹消する前に年式をチェックしておきましょう。
移転抹消でも、所有権解除して抹消という場合は取得税の対象にはなりません。
2017年11月追記
抹消する際には必ず返納していたナンバープレートが記念品として持ち帰ることができるようになりました。
→詳しくはナンバープレートの記念所蔵ができるようになりました! ~ナンバープレートコレクションができます~で解説しています。
移転抹消の必要書類等
必要書類等の解説
ここからは必要書類を具体的に解説していきます。
書類集めの注意点なども合わせて解説しますので重要ですよ。
自動車検査証(車検証)
一時抹消したい車の車検証を提出します。車検証を返納して登録識別情報等通知書という一時抹消の証明書を受け取ります。
『登録識別情報等通知書』は再発行ができないので紛失しないように気をつけましょう。
万が一紛失してしまったときは手続きがかなり面倒になります。
詳しくは→登録識別情報等通知書(一時抹消登録証明書)を紛失してしまった場合の新規登録方法をご覧ください。
ナンバープレート
一時抹消をするには必ずナンバープレートは返納しなければいけません。万が一、ナンバープレートを紛失や盗難で返納できない場合は警察署に届け出をして、「届出警察署」「届出日」「受理番号」「返納できない理由」を記載した理由書が必要になります。
詳しくは→ナンバープレートを盗難されてしまったけど、どうすればいいの?をご覧ください。
※ナンバープレートを返納しないで記念として持ち帰ることができるようになりました。もちろん希望する方だけですが、不正使用防止の処理を施された後に記念として持ち帰ることができるようです。
平成29年4月3日からラグビーナンバー・オリンピックナンバーという図柄入りのナンバープレートを予約して交付してもらうことができるようになります。
申し込みは2月13日から始まっています。
詳しくは自動車の図柄ナンバー(ラグビーナンバー)の申し込みが始まりました!こちらを参考にしてください。
このラグビーナンバーももちろん持ち帰れる対象になっています。
旧所有者の譲渡証明書
車検証の所有者の実印が押してあるもの。
譲渡証明書←印刷して使用してください。
記載例←譲渡証明書の記載例です。
新・旧所有者双方の印鑑証明書
発行されてから3ヶ月以内のもの。必ず原本を提出します。コピーは不可です。
もし、旧所有者の印鑑証明書の住所と車検証の住所が引越しなどで異なっている場合は住民票や戸籍の附票(法人であれば履歴事項証明書や閉鎖事項証明書)を取得してつなげなければいけません。
名前(社名)が車検証と異なっている場合は個人であれば住民票に名前が変わった事実が記載されていれば住民票だけで大丈夫です。
住民票に記載がなければ戸籍謄本を取得しましょう。
法人の場合は住所をつなげるときと同じ『履歴事項証明書』か『閉鎖事項証明書』を取得して変更の履歴をつなげます。
何度か引越をしていると住所のつなげ方が難しくなるので詳しくは車検証の住所と印鑑証明書の住所のつなげかたをご覧ください。
関連記事
新・旧所有者双方の委任状
実印が押印されているもの。一枚の委任状に双方の実印が押されていても問題はありません。
ただ、一枚に双方の印鑑を押印すると記載内容を訂正する際も双方の訂正印が必要になりますのでご注意を。
捨印を押印しておけば後日に訂正できる可能性もあります。
詳しくは→委任状に押してある捨印の効果の及ぶ範囲についてまたは、委任状・譲渡証明書の訂正方法の記事に具体例を追記しました。を参考にしてください。
手数料納付書
必要書類をまとめて表紙となるものです。登録印紙を貼ります。これは運輸支局で手に入りますので事前に用意する必要はありません。
印紙を貼る位置は左下です。
手数料納付書の右上に書類を提出した人の名前を書きます。
ここに記入した名前で交付するときに呼ばれますのでフリガナも忘れずに記入しましょう。
申請書(OCRシート1号様式・3の2号様式の2枚)
移転登録は1号様式を使い、抹消登録は3の2号様式を使います。移転して抹消するので申請書が2枚になります。
OCRシートが無料になりました。また、以前のように専用の用紙ではなく汎用紙(コピー用紙)になり国土交通省のサイトからダウンロードすることもできるようになりました。
OCRシートは印刷は国土交通省の規定通りに印刷する必要があるのでご注意ください。
850円の登録印紙
移転登録が500円、抹消登録が350円なので合わせて850円が必要になります。
旧所有者が合併していたり、死亡していて相続の登録も必要な場合は金額が変わってきます。
自動車税・自動車税環境性能割申告書
名義が変わったことと、抹消したことを申告書に記載して申請します。
運輸局で抹消してしまう前に記載しておきましょう。旧所有者の名前・住所を記載する項目があります。
申請手続きの流れ
印鑑証明書、委任状、譲渡証明書などの必要書類を揃えます。
↓
運輸支局へ行き申請書と登録印紙を購入して必要事項を記入します。(記入例は運輸支局に用意されてます。)
書類作成とどちらが先でも良いですが、ナンバープレートを外しておきます。
書類は税申告書も記入しておきます。
↓
ナンバー屋さんへ行きナンバープレートを返納し、手数料納付書に返納した証明印を押印してもらいます。
(ナンバーを持ち帰りたいときはこの段階で伝えておきます。)
↓
運輸支局の登録窓口へ必要書類を提出します。
↓
交付窓口から『登録識別情報等通知書』という一時抹消の証明書を受け取ります。
↓
都道府県税事務所へ行き自動車税・自動車取得税申告書を記入して提出します。
↓
手元に『登録識別情報等通知書』と『自動車税・自動車取得税申告書の控え』があれば無事に終了です。
運輸支局の業務受付時間と休業日
運輸局の受付時間は最終は午後の4時となっていて通常の役所より早く終わってしまいます。
もちろん全国で同じです。
当事務所でもよく電話で質問されますが、4時30分とか5時と勘違いしている方が多く、登録手続きに行こうとしたら閉まっていたということを良く耳にします。
午前:08:45 ~ 11:45
午後:13:00 ~ 16:00
土曜日・日曜日・祝日
12月29日から1月3日
自分でやるのが面倒な方へおすすめのサービス
書類を集めて申請書を作成して運輸支局へ行って手続きをする。
さらには抹消したあとの車の移動をどうするのか、など自分でやるには手間が結構かかります。
そんなときは車の引取から抹消手続きまでを全て丸投げできるサービスがあります。
カーネクストという会社が行っているのですが、どんな状態の車でも無料で引き取ってくれてさらに運輸支局への抹消の手続きも全て無料で行ってくれます。
最低0円保証となっているので、依頼する側からお金を支払うことはありません。
自分で抹消手続きから車の処分をするのが面倒なら依頼してみましょう。
似たようなサービスを行っている業者がいくつかありますので、廃車が無料でできる理由と合わせて関連記事を参考にしてください。
一時抹消登録後に行うことができる登録
一時抹消が終わると『登録識別情報等通知書』が交付されます。
この『登録識別情報等通知書』の状態でできる登録があります。
上記の登録のうち『解体の届出』に関しては自動車リサイクル法により登録が義務付けられています。
放置自動車の増加を防止するために制定されたのが自動車リサイクル法です。
解体が終わった後はすみやかに『解体の届出』を行いましょう。
抹消すると戻ってくる税金
抹消すると車検の残存月数に応じて自動車税が還付されます。
さらに抹消の証明書(登録識別情報等通知書)があれば自賠責保険も残りの期間に応じて返金されます。
一時抹消をしたあとに車を解体して『解体の届出』をすると車検の残存月数に応じて重量税が戻ってきます。
抹消すると戻ってくる税金があるので車検が残っているけどとりあえず抹消するという場合はなるべく早く抹消の登録手続きをしましょう。