親子間や夫婦間で車の名義変更をしたいという相談をよく受けます。
親子間・夫婦間であっても名義変更であれば必要書類は通常の名義変更とほとんど変わりません。
唯一違う点は同居していれば車庫証明書を省略できるというところが通常の名義変更との相違点です。
この記事は普通自動車です。軽自動車はこちら⇓
親子間・夫婦間で名義変更する際の注意事項
書類は通常の名義変更と同じですが、注意点がありますので先に紹介します。
ちなみに兄弟・姉妹でも今回の記事の対象になります。
同居していれば車庫証明書は省略できますし、新しい車なら環境性能割の対象になります。
環境性能割(取得税)がかかる可能性も
たとえ親子間・夫婦間でも車の所有者が変わったら環境性能割(取得税)の対象になります。
初度登録からまだ新しい車の場合は名義変更することによって取得税の支払い義務が生じてしまうので無理に名義変更しなくても良いかもしれません。
環境性能割の金額は各都道府県税事務所の管轄になりますので、心配な方は問い合わせておきましょう。
車庫証明書が必要になる可能性も
親子や夫婦で同居していれば車庫証明書は不要ですが、ほんのちょっとの住所の表記の違いだけで車庫証明書が必要になる場合があります。
車庫証明書が必要になる場合
- 同じマンションなんだけど部屋番号が違う場合
- 同じ敷地内なんだけど、地番が違うという場合
- 現在は同居しているんだけど、車検証の住所が現在の住所と異なる場合
まとめると車検証に記載されている住所と新所有者の印鑑証明書の住所が異なる場合は車庫証明書が必要になります。
車庫証明書の申請方法などはこの記事の途中で記載しておきます。
必要書類 【普通自動車】
- 車検証
- 譲渡証明書(旧所有者の実印が押されているもの)
- 印鑑証明書(新所有者・旧所有者)
- 実印
- 委任状(実印が押されているもの)
- 車庫証明書(同居であれば不要)
- 手数料納付書
- 申請書(OCRシート第1号様式)
- 希望番号予約済証(希望番号にしたい方)
- 500円の登録印紙
- 自動車税・自動車取得税申告書
必要書類等の解説
ここからは箇条書きにした必要書類の詳細を解説していきます。
注意点なども記載してきますので必要に応じて各項目を参考にしてください。
車検証
移転登録(名義変更)する時に車検の有効期間が残っているもの。車検が切れていると移転登録できません。
また、車検証を紛失してしまって過去に再交付したことがある場合は、一番新しい車検証でないと移転登録の手続きができないので注意してください。
譲渡証明書
旧所有者の実印が押されているもの。書式が決まっているので正しいものを使いましょう。
間違えてしまうと訂正するのに旧所有者の訂正印が必要になりますので注意深く記入しましょう。
我々プロの行政書士でも新所有者を記入するときは細心の注意を払って作成します。
印鑑証明書
旧所有者・新所有者双方のものが必要です。発行されてから3ヶ月以内が有効期限になります。
旧所有者に関しては車検証上の名前・住所と一致している必要があります。
もし一致していない場合は同一人物であることを証明するために戸籍謄本や住民票などを集める必要があります。
関連記事
名義変更するのに車検証と印鑑証明書の住所が違うんだけど、どうすればいいの?
車検証の住所と印鑑証明書の住所のつなげかた
実印
本人が手続きを行う場合は申請書(OCRシート第1号様式)に実印を押印する必要があります。代理人が手続きを行う場合は委任状に押印します。
委任状
新所有者・旧所有者が一緒に手続きを行う場合は必要ありませんが、代理人に依頼する場合は手続きに行かない方の委任状が必要になります。新・旧どちらも行かないのであれば双方の委任状が必要になります。必ず実印で押印しましょう。
親子や夫婦そろって運輸支局へ行ける場合は委任状は必要ないのでそれぞれ実印を持っていきましょう。
車庫証明書(自動車保管場所証明書)
車庫証明書は新所有者が取得して提出する必要があります。発行日から1ヶ月以内が有効期限になります。管轄が警察署になり、申請してから少なくとも中1日はかかりますので事前に用意しておきましょう。
車庫証明書が必要とならないパターンもあります。
詳しくはこちら⇒車庫証明書の取得を省略できるパターン
また、村はそもそも車庫証明書は不要です。
手数料納付書
必要書類をまとめて表紙となるものです。登録印紙を貼ります。これは運輸支局で手に入りますので事前に用意する必要はありません。
申請書(OCRシート第1号様式)
新所有者の名前や住所を記入する用紙です。希望番号があればそれも記入します。これも運輸支局で入手するものなので事前に用意する必要はありません。記入方法の例や見本は運輸支局に用意されているので安心してください。
2017年現在では申請書は無料で配布されるようになりました。
また、国土交通省のWebサイトからダウンロードして印刷したものを使用することもできます。
国土交通省OCR申請書各種
印刷して使用できますが、制限もあります。
かいつまんで説明しますと、「プリンターはレーザープリンターを使用してください」というのと「用紙はA4サイズで白色のもの」というのが主なものですが、家庭用のインクジェットプリンターではこの条件を満たしていないのでご注意ください。
希望番号予約済証
自分の好きな番号を選びたい方は事前に申し込みをしておく必要があります。出来上がるのに申請してから中2日かかりますので前もって申請しておきましょう。申し込みはネットでできます。
ネットで申請した場合は入金確認後に確定番号と受付番号が記載されているメールが来ますのでそれをメモして持って行きましょう。
2017年11月追記
ナンバープレートの種類で『図柄ナンバー』というのが増えました。
上記画像のようなナンバープレートをつけることができるようになりました。
現段階では通称「ラグビーナンバー」と「オリンピック・パラリンピックナンバー」を選ぶことができます。
詳しくは自動車の図柄ナンバー(ラグビーナンバー)の申し込みが始まりました!
オリンピックナンバーはどうやったらつけられますか?
などを参考にしてください。
500円の登録印紙
移転登録(名義変更)には500円の手数料がかかり登録印紙で支払います。運輸支局の用紙を販売しているところで一緒に購入できます。
自動車税・自動車取得税申告書
移転登録(名義変更)をすると自動車税の納税義務者も変わりますので運輸支局内にあります都道府県税事務所にも申告をする必要があります。
その他
- 旧所有者の方が車検証の住所から引っ越している場合は印鑑証明書の住所までのつながりがわかる住民票や戸籍の附票が必要になります。
- 旧所有者の方が結婚などで名前が変わっている場合は戸籍謄本をとって名前が変わった理由とともに同一人物であることを証明しなければいけません。
- 新所有者になる方が未成年の場合は、親権者の同意書・印鑑証明書・戸籍謄本が必要になります。
自動車税納税証明書
自動車税の滞納がないことを証明してくれる証明書です。車検をとる際に必要になりますので旧所有者の方から新所有者の方へ渡してあげましょう。
また、新所有者になる方が滞納があることを知らないまま車を譲り受けてしまうとトラブルの原因になりますので必ず用意してもらいましょう。
現在では車検を取る際に納税証明書は必須ではなくなり、オンラインで納税確認がされるようになっています。
ただし、自動車税を納めたばかりだとすぐにはオンラインで反映されないので、自動車税を支払ってすぐに車検を受けるときは紙の『納税証明書』を用意して車検場へ行きましょう。
自賠責保険証明書
車を乗るには必ず入っておかなければいけない保険です。移転登録をする際には車と一緒に渡すようにしましょう。
自動車リサイクル券
車を最終的な処分をするときに必要になりますのでなくさないようにしましょう。
車庫証明書の取得方法
車庫証明書は必要書類を揃えて警察署へ申請して審査が終わると発行されます。
警察署へは車庫証明書の申請に必要となる書類を提出します。
- 保管場所標章交付申請書
- 保管場所の所在図(付近の道路、目標を表示)
- 配置図(周囲の建物等を表示、保管場所の寸法等を表記)
- 使用に関する権利関係を証する書面
※使用に関する権利関係を証する書面とは↓
- 土地又は建物が自己所有の場合…保管場所使用権原疎明書面(自認書)
- 土地又は建物が他人所有の場合…保管場所使用承諾書、駐車場賃貸契約書、公法人の確認証明書等
※駐車場を借りている場合は不動産屋で使用承諾書を発行してもらうか、駐車場賃貸契約書を事前に用意してもらいましょう。
各警察署のホームページで書式が配布されていてダウンロードできるようになっていますので活用してください。
車庫証明書の記載例も用意したので参考にしてください。
名義変更の費用
移転登録する際に発生する費用は車の年式や登録手続きをどこまで自分でやるかで大きく異なってきます。
必ず発生するものと場合によって発生するものがあります。
名義変更する際に想定される費用
- 登録印紙 500円 ⇚必須
- ナンバープレート代 ⇚必須 ※ナンバーが変わらない場合は不要
- 自動車取得税 ⇚初度登録年月が新しければ必要
- 書庫証明書印紙 ⇚地域によりますが、だいたい2600円前後 車庫証明が不要な場合もあります。車庫不要のパターン
ナンバープレート代は特に希望がなければ1500円前後で購入できますが、希望番号にすると4000円から5000円になり、さらにオリンピックナンバーやラグビーナンバーにするには8000円前後はかかるでしょう。
運輸支局の業務受付時間と休業日
運輸局の受付時間は最終は午後の4時となっていて通常の役所より早く終わってしまいます。
もちろん全国で同じです。
当事務所でもよく電話で質問されますが、4時30分とか5時と勘違いしている方が多く、登録手続きに行こうとしたら閉まっていたということを良く耳にします。
午前:08:45 ~ 11:45
午後:13:00 ~ 16:00
土曜日・日曜日・祝日
12月29日から1月3日
名義変更手続きの全体の流れ
取得するのに日数のかかるものがあるので段取りよく手配していきましょう。
- 車庫証明書…中1日~中3日程度
- 希望ナンバー…中2日
- 旧所有者の譲渡書類一式
- 旧所有者の書類を手配
- 車庫証明書の申請
- 希望ナンバーの予約 (希望ナンバーにする場合)
- 新所有者の書類の手配
- 車庫証明書の受領
- 運輸支局へ行き書類を作成
- 名義変更の登録手続き
名義変更手続きの運輸支局での流れ
必要な書類は全て集まっていることを前提として進めます。
- 運輸支局で入手する書類を受け取ります。
- 同時に登録印紙500円も購入します。
- 登録窓口の近くの書類作成見本をみながら書類を作成します。
- 運輸支局によって順番が異なりますが、運輸支局・都道県税事務所・ナンバー屋(ナンバーが変わる場合)をまわります。
- 最終的に名義変更の終わった『車検証』・『税申告書の控え』が手元に残れば書類はOKです。
- ナンバーが変わる場合はナンバープレートを購入してから係員に封印をしてもらって終了になります。
動かない車や事故車の処分に困ったらカーネクスト の廃車無料引取がおすすめ!どんな車でも無料で引き取ってくれます。
ちなみカーネクストは2023年のWBC(ワールドベースボールクラシック)のメインスポンサーを務めたほどの企業に成長しています。