法人は自然人ではあまりないようないろいろな状態があります。
- 破産手続き中の法人
- 清算手続き中の法人
- 清算結了してしまった法人
- 民事再生手続き中の法人
- 吸収合併されてしまい消滅してしまった法人
- 分割して1つの会社が2つに増えた法人
などなどありますが、今回は破産手続き中の法人の移転登録に関して解説していきます。
破産手続き中である法人の移転登録
破産手続き中の法人が所有者になっている車は移転登録ができないのかという疑問があるかもしれませんが、結論を申し上げるとできます。
ただし、不当に安く処分したり債権者に不利益になるような形での処分ができないように法律で制限されています。
破産手続き中の法人には破産管財人がついて債務や債権の整理を行っています。
なので、資産の一部である自動車は処分するのに制限があり、通常の移転登録よりもさらに特別な書類が必要になります。
破産手続き中の法人から移転登録するための必要書類
- 車検証
- 譲渡証明書(破産管財人の実印が押されているもの)
- 印鑑証明書(破産管財人のものと新所有者のものを1通ずつ)
- 実印
- 旧所有者の委任状(破産管財人の実印が押されているもの)
- 新所有者の委任状 (実印が押印されているもの)
- 車庫証明書(新所有者)
- 手数料納付書
- 申請書(OCR1号シート)
- 希望番号予約済証(希望番号にしたい方)
- 500円の登録印紙
- 自動車税・自動車取得税申告書
破産管財人の印鑑証明書は裁判所から発行されている場合はそのまま使用できますが、ない場合は破産管財人個人の印鑑証明書と実印を押印します。
個人の印鑑証明書を使用する場合は破産管財人の資格証明書に記載されている名前・住所と一致している必要があるのですが、だいたいの場合が資格証明書には弁護士事務所の住所が記載されています。
そういった場合は弁護士会から発行される『証明書』を取得して、破産管財人の資格証明書と個人の印鑑証明書のつながりを証明します。
- 破産管財人の資格証明 (裁判所から発行されているもの)
- 裁判所の許可証(売却許可証)
- 対象自動車が100万円以下である査定書か査定価格を確認できる資料の写し等
- 破産管財人の申立書
破産手続き中なので追加で必要な書類があります。
まずどんな場合でも破産管財人がついているときはその破産管財人である資格証明書が必要になります。これは裁判所から発行されています。
『裁判所の許可証・100万円を証明する査定書・破産管財人の申立書』はいずれか1点で大丈夫です。
裁判所の許可証(売却許可証)
破産手続中なので所有者であっても勝手に売買できないように裁判所の許可が必要になります。
裁判所から許可を得たことの証明として許可証が必要になります。
対象自動車が100万円以下であることを証明する書類
許可証がない場合でも100万円以下であれば資産としての価値もあまりないという評価になりますので、その価格を証明できるものを添付します。
100万円以下を証明するものとしては査定書が代表的なものとなります。
破産管財人の申立書
要件緩和の一環として『破産管財人の申立書』を添付することでも移転登録ができるようになりました。
破産管財人が責任をもって売買しますということを書面で提出します。
まとめ
破産手続中の法人は移転登録するのに制限がありますが、追加で書類を添付することによって制限がなくなります。
添付書類は下記の3点の中のどれか1つを用意してください。
いずれか1点を添付すればOKです。一番手に入れやすいものを用意しましょう。
- 裁判所の許可証
- 対象自動車が100万円以下である査定書か査定価格を確認できる資料の写し等
- 破産管財人の申立書
関連ページ
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印鑑証明書に『民事再生法による再生手続開始の決定がある。』との記載があるのですが、何か制限があるのですか?
法人名義の車は合併に注意!
それぞれ私なりに気をつけるべきことがらを解説してますのでどうぞ参考にしてください。
参考条文
法律的な根拠を確認したい方は破産法の該当条文を参考にしてください。
破産法第78条
破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利は、裁判所が選任した破産管財人に専属する。
第二項 破産管財人が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。
一 不動産に関する物権、登記すべき日本船舶又は外国船舶の任意売却
二 鉱業権、漁業権、公共施設等運営権、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、回路配置利用権、育成者権、著作権又は著作隣接権の任意売却
三 営業又は事業の譲渡
四 商品の一括売却
五 借財
六 第二百三十八条第二項の規定による相続の放棄の承認、第二百四十三条において準用する同項の規定による包括遺贈の放棄の承認又は第二百四十四条第一項の規定による特定遺贈の放棄
七 動産の任意売却
八 債権又は有価証券の譲渡
九 第五十三条第一項の規定による履行の請求
十 訴えの提起
十一 和解又は仲裁合意(仲裁法 (平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項 に規定する仲裁合意をいう。)
十二 権利の放棄
十三 財団債権、取戻権又は別除権の承認
十四 別除権の目的である財産の受戻し
十五 その他裁判所の指定する行為
第三項 3 前項の規定にかかわらず、同項第七号から第十四号までに掲げる行為については、次に掲げる場合には、同項の許可を要しない。
一 最高裁判所規則で定める額以下の価額を有するものに関するとき。
二 前号に掲げるもののほか、裁判所が前項の許可を要しないものとしたものに関するとき。
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